自衛隊、イラクへ

押しかけ評論 Vol.16 <自衛隊イラクへ>

 航空自衛隊の先遣隊が26日にイラクへ向け出発しました。今回のイラク派兵に際して、いよいよ憲法のあり方を考える時期に来たと思います。
 世界地図の中での政治的な位置は低いとは言え、少なくとも経済規模では世界第2位の地位にあり、国際貢献を要求される立場にある日本が各国の軍隊が派兵されている地で「これは戦力ではありません」と主張するのは滑稽としか言いようがありません。
 問題となる点は以下の3点に集約されます;
 (1) 自衛隊を戦力として認識
 (2) 交戦権の保持
 (3) 集団的自衛権の行使
 これらは3点セットであるかのような論調もありますが、集団的自衛権の行使はフェーズの異なる問題だと思います。集団的自衛権の行使の議論にはかなり時間を要するはずですから、まずは(1),(2)について憲法第9条および自衛隊法の改正のための議論を進めるべきと考えます。

 組織された戦力との交戦による戦死者の発生も十分考えられる状況下、武器の使用もまともにできない、立場のあいまいな自衛隊を「国際貢献」の最前線に送り出すには、首相や内閣法制局長の「見解」や「解釈」では不十分過ぎます。