起業家と経営者

ホリエモン曰く「企業は失敗を恐れてはダメです。失敗してもすべて失うだけで、命までとられるわけではない。元のゼロに戻るだけです。」
単体でも464名(2004.09)の従業員がいる株式公開会社がこの論理で行動することには違和感があります。はっきりいって「おかしい」です。

会社組織には株主、従業員、取引先(顧客)が利害関係者としており、その経済活動の維持、発展が会社経営の動機であると考えます。
それを維持・発展ではなく、失敗してゼロになってもいいからチャレンジすること、と考えるのは正常な経営とは言えません。
また生産要素として「資本」は認識するものの、「労働力」と「組織」を無視している(と感じられる)点も、経営者としての資質を感じません。

ホリエモンは経営者ではなく、起業家といえるのではないでしょうか。
しかし仮にホリエモンが51%超の株主であったとしても、株式公開会社である限り、一代で終わってしまう打ち上げ花火であってはならないはずです。会社組織を経営し、存続させることは公開会社という公器の経営者の義務です。経営が無意味な産業社会は成り立ちません。

ひょうきん族全盛期のフジテレビのキャッチは「楽しくなければテレビじゃない」でしたが、ホリエモンのキャッチは「チャレンジしなけりゃ企業じゃない。後は野となれ山となれ。」・・・?