今年は意識して節電しないと・・・

押しかけ評論 Vol.6 <今年は意識して節電しないと・・・>

 東京電力が平成15年度の経営計画を公開しました。最近、電力が足らないという話を良く聞くため、一株主として聞き捨てならぬと思い、東京電力のWebで資料を見てみましたが、「当面の需給見通しと対策について」という付属資料を見て驚きました。明らかに『電気が足らない』のです。

 この付属資料によれば3月末現在、17基ある東電の原子力発電所は福島第一発電所の6号機のみが運転中で、他の16基はすべてを点検・修理のため運停止をしており、この状況が続くと需要が供給に追いついてしまい、予備の電力が「ゼロ」という事態になるのです。
 東京の夕方の気温が2度台の日が12月と2月に1日ずつあったようですが、現在の供給量はこの「寒かった日」の需要量の90%しかありません。暖房が電気だけでなくガスや灯油によって行われていることを考慮すると、これから暑い日が増えてきてクーラーを使い始めたら供給不足になることは避けられないと感じます。
 東電では他社からの「応援融通受電」と休止中の火力発電所の再開で対応しますとしてはいるものの、この二通りの対策が『織り込み済み』の需給見通しでも4月は予備力「ゼロ」の需給見通しとなっています。夏季の高需要時にいたっては▲15%と堂々と書いてあります。

 早く原発を再稼動しないと供給不足となります、と言いたいのでしょうが、もとはといえば東電の原発のトラブル隠しが原因。これを口実に安全管理、原発立地自治体への説明が疎かになることは許されません。

 電力供給サービスをする会社と考えると、供給手段は必ずしも大規模な発電所だけではないはずです。たとえば「マイクロガスタービン発電機」を大量に準備するなどの対策をとってもよいのではと考えます。(※マイクロガスタービンにつきましては別の機会に説明したいと思います)マイクロガスタービン発電機は地震や台風等の被災地や難民キャンプでも利用できるため、自治体や政府が購入、備蓄しておいて、今回のような電力不足時には電力会社に貸し出す(勿論有償で)、というようなことをしてはどうでしょうか。

 ということで、関東在住の方々はこの春、夏は意識して節電しないと、西南アジアあたりでよく行われる「計画停電」を経験することになるかもしれません。

 ちなみに東京電力にお世話になっている我が家は、手始めにこれまでパソコンを使用しない時にはスタンバイ状態にしていたものを、電源を落とすか休止状態にするようにし、外出時はADSLモデムのプラグを抜いておくことにしました。小さな一歩です。