ヨーロッパで見聞きしたこと

 ロンドンとコペンハーゲンに出張する機会を得ました。

 イギリス、デンマークとも占領以前のイラク攻撃の段階から戦闘部隊を派遣している国で、イギリスについては「もっともテロ発生の危険性が高い国」と評するマスコミもあり、緊張感を持ってヒースロー空港に降り立ちました。

 が、ヒースロー空港パディントン駅(ヒースローエクスプレスのロンドン側駅)では軍人はおろか警官の姿を一度も見かけませんでした。イラク攻撃以前には陸軍の装甲車がヒースロー空港のターミナルビル警備に出動したこともあり、拍子抜けしました。
 もっとも19日夕方にヒースロー空港でテレビを見ていたら、マンチェスターでサッカースタジアムでの自爆テロを計画していた6名を拘束、という臨時ニュースが流れていましたが・・・。
 コペンハーゲンでもテロ警戒中と思われる軍人、警官は見かけませんでした。

 これまではテロへの恐怖から旅行を控える人が多かったそうですが、それによる観光収入の減少、旅行会社・航空会社の業績悪化は「エコテロリズム」に屈することになるということで、恐れずにこれまでどおりに行動することがテロへの対抗姿勢の表明である、という考え方を持つ人が増えているそうです。

 もともと「エコテロリズム」は過激な環境保護団体が、環境に悪い(燃費が悪い)SUVを壊したり、自然に反する(?)バイオ研究所を襲撃したりするといったエコロジー保護を旗印にした実力行使を指していた言葉ですが、最近は「エコノミー=経済」的な打撃を与える(非暴力的な)テロという意味で使われるほうが多くなっているようです。
 エコテロリズム風説の流布だけでも相手に打撃を与えることができる悪質なもので、有効な対抗策は「強い意志」というわけです。